日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年10月26日喋るのが苦手な人は、まず話す材料を集めよう!


★話が苦手なことの意外な原因


話すことに苦手意識を持っている人は、世の中にかなりおられるようです。

私も普段色々な人と接する中でも、「ああ、この人は話が苦手なんだなぁ」と感じる人がいます。

もしあなたも話すことに苦手意識を持っているなら、ぜひ実践してもらいたいことがあります。

それは日常の中で『話す材料』を集めることです。

私たちの話し方教室でも、コースの早い段階で『話の材料の集め方』という講義を行っています。

話す材料がないことは、話すことへの苦手意識の大きな原因なのですが、多くの方がこのことに気付いていません。

普段からこまめに材料を集めてストックしておくことで、苦手意識は確実に薄らいでいきます。

では、具体的にどうすれば話の材料を集められるのでしょうか。

 



★集めることを常に意識する


まず何よりも、話の材料を集めることを常に意識することが肝要です。

私たちの日常には話の材料になるものが実にたくさんあります。

しかし、私たちはそのほとんどを心に留めずに見逃しています。

これはとても勿体ないことです。

「集めよう!」と意識するだけで、以前よりも物事に対して興味や関心が持てるようになります。

そうすると、今まで何気なく見ていたテレビ番組やネットの記事でも

「そうか。この人のように前向きに考えると、落ち込んだ時でも少し気持ちが楽になれるな」
「へぇ~、新幹線の座席が2列と3列になっているのはこういう理由なのか!」

と、以前よりもそれらの物事に心に留めながら見聞きすることができるようになります。

話の材料を集めることを意識することが、材料集めの第一歩です。

 

★日常の体験も意識する


話の材料として意識しやすいのは、テレビやネットの記事ですが、実は、私たちの日常の体験がかなり良い材料になります。

  • 友人との待ち合わせの時間を8時だと思っていたが、実際は18時だった。
    あわてて現地に行ったが友人をかなり待たせてしまった。
    時間は事前にきちんと確認せねばならないと思った。


 

  • 明日までに会議資料を作らねばならない同僚が切羽詰まっていたので、残業して手伝ってあげた。
    無事に資料ができあがり、その同僚からとても感謝された。
    感謝されたことがとても嬉しく、これからもできるだけ人の役に立とうと思った。


 

  • 電車で優先座席に座っている人の前に、かなり高齢の方が立っていた。
    その人は優先座席に座って寝ていたので、高齢の方が前に立っていることに気付いていなかった。
    これを見て、私は優先座席に座っても決して寝ないようにしようと思った。


このような日常の中でのちょっとしたことは、誰でも経験していることです。

こうしたことも立派に話の材料になるので、ぜひ意識していただきたいと思います。


★その物事について考える


次に必要なことは、日常接する物事について考えるということです。

材料集めを意識して日常の物事に目を向けるようになっても、それらを表面的に見ているだけでは話に使える材料にはなりません。

「これはなぜこうなっているんだろう?」
「あの人はなぜあの時に喜んだんだろう?」

など、見聞きしたことについて考えることがとても重要です。

例えば、「物価の上昇により投資への関心が高まっている」という記事を見て、単に「投資への関心が高まっているようです」ということを材料としてストックしても、話としてはかなり物足りないでしょう。

それは、事実をそのまま述べているだけだからです。

話は、聞いた人に共感、納得してもらうことがとても大事なのです。

事実を述べただけでは共感も納得も得られません。

それは単なる報告だからです。

聞いた人は「だからどうなの?」という反応になることが大半でしょう。

共感、納得してもらうためには「本当に投資をする人が増えるだろうか」などと掘り下げて考えることが大切です。

そうすると、「物価が上昇すると預金などの価値が目減りするので、それを投資で補おうとする人は増えるだろう。しかし、日本人は元本を減らしたくないという保守的な考えの人が多いだろうから、当面はリスクの少ない商品に投資するのではないか」と、少し深みのある話ができます。

また、上に示した日常の体験例にもそれぞれ自分の考えや意見を添えています。

これがあることで話はグッと引き締まったものになります。

 

『話すこと』は『考えること』です。

ぜひ集めた事実と自分の考えをセットにしたものを、話の材料としてストックしてください。

 

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